転職を考え始めたら必ず目を通しておくべき書籍

TIPS

日本の終身雇用システムの崩壊が囁かれるようになってから暫く経つが、実際に自分の周りでも既に転職は一般的なものになってきている。皆さんの会社にも転職してくる人/出ていく人がそれなりにいるのではないでしょうか。

世の中には「年収アップ」、「ワークライフバランスの充実」、「スキル向上」など、ポジティブなキーワードで転職を促す情報に溢れ返っており、転職しないことは悪のように扱われることもしばしば。

ただ、本当にそうなのだろうか。職を変えることは、個々の人生を大きく(プラスにもマイナスにも)変え得る重大なオプションであり、確りとProsConsを把握した上で決断すべきもの。決して安易に決めてよいものではない。

今回は転職を検討され始めた方々に、転職する/しないを正しく判断する為の基礎知識として、是非一読いただきたい書籍を紹介する。

転職を考える際に必ず読むべき書籍

転職は1億円損をする

かなり刺激的なタイトルであり、多少の極論は含まれているが、転職に関して多様な示唆に富んだ書籍。特に普段会社にいてもそのメリットを実感できない、あまりそのメリットについても世間一般的に語られていない退職金等に関してのTipsは非常に参考になる。

転職は1億円損をする

巷では転職の成功に関する話が溢れていると思うが(人材会社からすると転職を促したいのだから、ポジショントークも多分にあるだろう)、転職の具体的な失敗例に関して本書は触れてくれている。

僕はこれまで2回の転職を経て、運よく大幅に年収アップを実現する事が出来たが、退職金の観点からすると正直損をしている部分もある。なぜなら、退職金制度は往々にして、勤続年数が長くなればなるほど指数関数的(正比例になっていない)に伸びるからだ。

その他にも転職に纏わるネガティブな側面を、真正面から教えてくれる本書は転職前には必読だ。転職を安易に考えがちな人、自分の市場価値を正しく理解したい人にとって、目からウロコの一冊。これを読めば、転職活動における「無駄な失敗」をぐっと減らせるだろう。

エンゼルバンク ドラゴン桜外伝

ドラマ化もされた「ドラゴン桜」では、受験勉強(東大に入る為)のTipsが纏められていた名作だったが、その外伝となる。転職をテーマにしたマンガで、主人公が人材バンク「エンゼルバンク」で働く様子を描いたもの。さまざまな職業や業界の背景が描かれ、転職の成功や失敗、成長の要素がリアルに表現されている。

エンゼルバンク ドラゴン桜外伝

以下は、作中の中で出てくる名言の一部。詳細は本書を通じて理解を深めてほしい。いずれも本質を捉えており、転職に対する歪んだ(実態以上にポジティブに捉えた)考えに、楔を打ち込んでくれるはずだ。

すべての物事は相場が決まるということです。人の価値もそうです。

至極当然のことだが、ある程度仕事をこなしてきた人間は自分の市場価値を高めに見積もる傾向がある。あなたがどれだけ今の会社でどれだけ成果を出してきたかは不明だが、飽くまで価値を決めるのは市場、つまり相場だ。英語やファイナンスのように幅広い業界で重宝されるスキルは相場で価格は高まるが、業界特化の技能は市場からは評価されづらいものだ。

30歳過ぎたら利息で暮らせ。

少し厳しすぎる視点かもしれないが、30歳までに積み上げた経験・ネットワークがその後のキャリアを決めるという面は確かにあるだろう。如何にして30歳までに、多くの利息が生み出せる蓄積ができるか、を若い方には意識してもらいたい。

転職はリセットではないからです。転職は人生のチューニングなんです。

転職をリセットと考えてらっしゃる方もいるかもしれないが、リセットではない、チューニングだ。詳しくは本誌を見てもらえればと思うが、仕事における総合点をどのように配分するか、という意識が転職においては重要だろう。総合点が5点の人が総合点8点の仕事に就くのは中々難しい(勿論、絶対に無理だとは言わないが)。5点をワークライフバランスや給与等、どのように割り振るかという視点で転職先を検討しよう。

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