なぜ日本円は安全資産とされているのか

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言わずもがな日本はいま人口減少が続いている。国力とは基本的には人口に比例すると考えられるし、人口が減っている日本の将来は明るくないのではと思ってしまう。特に労働人口である若者が減り、高齢者の方々が増えていくと厳しいのではないか。移民を受け入れるようなことがあれば、まだ状況は変わるかもしれないが。

中国やインドなど人口の多い途上国がどんどん力つけてきている。あと、ご存知の通り国債の残高は増えている。日銀の異次元緩和もあり、国の借金は膨らむばかりだ。

確かに、治安の面でいえば、世界でもトップクラスといってよい安全な国だと思うが、”経済的に安全”とはまた話が違います。テロとかは無いのでそこは経済的にもリスクが少ないのかもしれないが。

にも拘わらず、なぜ円が安全資産と言われるのだろうか。少しその理由について考えてみたい。

日本は世界一の債権者

対外純債権額というものをご存知だろうか。要は自国が他国に対しての債権の総額のことだ。なんと日本は対外純債権額が世界一、つまり世界で一番お金を貸し付けている国になる。他国からの借り入れより貸し付けのほうが多いのだ。

借り入れが多いほうがネガティブなのは容易に想像できるし、その点から日本が安全と言われる一因と言えるかもしれない。もちろん貸し付けているところが必ず返してくれる保障はないが。

ただ、ここで忘れてはいけないのが公債、国の借金だ。日本の借金(公債)は約800兆円となっている。これは税収の約16年分に相当し、しかも借金は膨らみ続けている。債務残高の対GDP比も200%を超えており、アメリカやイギリスなど他先進国と比較しても飛びぬけて高い数値となっている。借金が膨らみ続け、返せるあてもない状況となっているわけだ。

日本の借金は身内に貸しているようなもの

なら何故これで日本が安全と言われるのだろうか??それは借り先が日本国内だからだ。90%以上が国民含めた日本国内で保有されてる。しかも日本政府には徴税権があるし、理屈上は日本円を刷っても返せてしまう。7割以上海外が保有してたギリシャとは状況が違うので、「将来的にギリシャみたいになる」というのはこの点においては間違っていると言わざるを得ない。

よく例えられるが、借金してても身内に借金しているだけなので破たんすることはない、ということだ。

とはいえ借金が国の収益で全然まかなえてないのは危険ではないのだろうか。何故なら、日本が危ないと本当に思われ始めたら、当然日本人も買わなくなる。

そうなると日本国債が売れなくなるし、そうなるとギリシャ同様市場に出して海外から買ってもらうしかない。徴税権で回収も理屈上はわかるが、そもそも増税とは簡単にできるものなのか?

今でさえ消費税8%、10%増税に関して世論に叩かれてるわけだ。これ以上増税とになっても国民からの不満は爆発するだろう。

まとめ

いろいろと意見はあるだろうが、結局日本円は安全なのか危険なのか??もう一度まとめると、日本は

①高齢化かつ人口減少→国力低下
②対外純債権額は世界一
③身内の借金とはいえ借金は増加中。もはや現状の収益規模では返せないレベル

という状況。②はともかく、どう考えても将来的にはネガティブな状況だと僕は思う。では、なぜ安全資産としてリスクオフ時に日本円が買われるのか??それは、「相対的に今はまだ安全なだけ」ということはないだろうか。短期的には日本は破たんのリスクはだろうし、テロなどの不安も少ない。高齢化も進んではいるが、GDPもまだ世界3位だ。現時点で他と比較すると、安全なのだろう。

ただ、将来的にはポジティブではないわけで、単純に「日本円が安全資産」を鵜呑みにして、大事な資産を日本円のみで持つのはリスクが高いと個人的には思う。これからの世代の方々は未来を見据えて、いかに安全に資産配分するか、きちんと考えて実行してく必要があるだろう。

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