人前に出たくない、試合になると途端に緊張する、プレゼンが苦手などここぞという場面で緊張しやすい人は多い。中には手や足、そして声が震える方もいらっしゃり、そういう場面を避けたいと思っている。
僕自身も前まで同じで、そこまで重度ではないものの手や足が震えるようなケースがあり、極力そういう場面は避けたいと思い続けてきた。とはいえ、仕事をしていく中でどうしても避けられないこともあり、どうやったら克服できるか試行錯誤したものだ。
本日は実体験からたどり着いた克服方法を紹介したいと思う。
それは”筋トレ”である。単純だが、一番効果的だった。
克服法の前に震えのメカニズムについて
緊張やあがりで手足が震えるのはどういう仕組みなのだろうか。まずはそこについて触れておきたい。
緊張やあがりの原因は”ノルアドレナリン(別名:ストレスホルモン)”と言われている。これは不安や恐怖心に関連している神経伝達物であり、分泌量は人によって様々だ。ただ、これだけでは緊張は起きない。人間にはセロトニンというノルアドレナリンの動きを抑制する物質がある。
このセロトニンが不足しているとノルアドレナリンの作用が強くなり、そのような状態になると筋肉が硬直し疲労物質がたまり、”筋肉のけいれん”が起きる。これが震えの原因だ。
まとめると震えの発生の流れは以下となる。
- ノルアドレナリンの分泌とセロトニンの不足
- 筋肉疲労
トレーニング①腹式呼吸で横隔膜を鍛える
どうすればノルアドレナリンを抑制しセロトニン分泌を促すことができるのだろうか。それは”腹式呼吸による横隔膜の筋トレ”だ。インナーマッスルの強化とも言える。ヒクソングレイシーの呼吸法のように腹がグニャグニャ生き物のように動かせるようになれば理想的。
※腹式呼吸の方法についてはネット上でたくさん情報があるので割愛します。
まず、なぜ腹式呼吸によってノルアドレナリンの抑制ができるかについて。
緊張時に人は腹式呼吸ではなく胸式呼吸となり呼吸が浅くなる。呼吸が浅くなると酸素が十分に体内に取り込めなくなり、リラックスできない状態(≒ストレスを抱えた状態)になり、ノルアドレナリンの分泌が進む。
普段から腹式呼吸トレーニングにより横隔膜を鍛えていれば、緊張時にも自然と腹式呼吸を取り入れることができ、ノルアドレナリンの分泌を軽減することができるだろう。
次に、なぜ横隔膜を鍛えることでセロトニン分泌量を増やすことができるのか。
腹式呼吸を実際にやってみてもらうと分かると思うが、お腹をへっこめてふくらましての動きになるので、腸に刺激が加わることが感じられるだろう。実はセロトニンの生成に必要なビタミンB群のほとんどは腸内善玉菌によって作り出される。そのため腸内環境が良好でないとセロトニンを生成できなくなってしまう。逆に腹式呼吸によって腸に適度な刺激を与え、血行が良くなり腸内環境が改善すればセロトニンの分泌も活発になるというわけだ。
まとめると、横隔膜の筋トレによって以下の効果が見込める。
- 腸の活発化によりセロトニンが作られやすいカラダに
- 緊張時でも腹式呼吸によってノルアドレナリンを軽減できる
トレーニング②筋トレで物理的に筋肉を強くし震えを止める
トレーニング①によって、筋肉を硬直させる要因となるアドレナリン分泌やセロトニン不足が改善されたとしても手足や声の震えをゼロにできないケースもあるだろう。
そんな方も落ち込む必要はない。何も考えずに”震える部位をひたすら筋トレして鍛える”だけで良い。そもそも、筋肉の硬直から疲労物質が溜まりケイレンを起こすというメカニズムなので、多少の疲労物質が溜まってもビクともしないくらい鍛えてしまえば良いのだ。
足が震える方はスクワット。手が震えるならハンドグリッパーなど。緊張時のも震えなくなるまで筋トレを続けよう。
また、筋トレは上記以外にも間接的な効果も見込める。テストステロンという物質をご存じだろうか。テストステロンとは、要は男性ホルモンです。
これは自信の源にもなると言われているホルモンなのだが、筋肉を増やすことでテストステロンは増大する。つまり、筋トレで物理的に筋肉を増やせばテストステロンが増大し、より強い自信が持てるようになる、ということだ。
以上、該当部位の筋トレによって以下効果が見込める。
- 筋肉ケイレン、震えが起きないくらい物理的に筋肉を鍛えてしまう
- テストステロンの増大によって自信が持てるようになる。
まずは何も考えず筋トレでひたすら鍛えよう
もう一度まとめると、緊張時の震えの改善法として以下2つの筋トレを推奨する。
- 震えの元となる原因物質のコントロールとして横隔膜の筋トレ
- 震え自体に耐えられるくらいの筋肉を物理的につける
信じられない人もいるかもしれないが筋トレ自体は、緊張時の震え以外にも基礎代謝を上げたり健康そのものにも良いので、まずは黙ってトライしてみて欲しい。もちろん筋トレには時間がかかる。即座に効果が確認できるものでもない。ただ、その継続すること自体が自身にもつながるし、1年も経つ頃には震えなんて気にならず、きっと今まで以上にポジティブで力強い人間になれるとだろう。