英語が聞き取れないのは基本動詞を使ったイディオムを知らないから/go、get、make、have

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必死で単語を覚えても何故か英語が聞き取れない。海外のTVドラマシリーズや映画を見る時、どうしても何を言っているか理解できない/聞き取れない。何故なんだ。以前紹介した以下書籍でも

海外ドラマはたった350の単語でできている [英語マスターシリーズ]

全セリフの約80%は350語の単語で作られる。

とある。少なくとも基本的な単語を含めれば数千語は覚えているはず。それでも聞き取れない。そんな方はおそらく基本動詞のイディオムを使いこなせていない可能性が高い。

会話でのコミュニケーションでは難しい単語一語よりも基本動詞(go、get、make等)を使ったイディオムの方が良く使われる。

そのため、小難しい単語を何千語覚えるよりも、まずはこの基本動詞に紐づく表現をマスターする方が、日常会話のヒアリングには何より重要となる。

本記事では、頻出のイディオムを一通りまとめてみたので、覚えていないものがあれば自由に使いこなせるように丸暗記しよう。※以下には記載されていない他の使い方/意味があるものもあるが、よく使われる意味に絞って紹介している点ご留意ください。

ちなみにイディオムを覚える際に基本動詞が持つイメージを抑えておくことで、しっかりと記憶に定着させることができる。基本動詞のイメージ(それ以外にも英語の文法を感覚で理解する)の理解には以下書籍が非常に有用。文法書はこれ1冊で十分だろう。

一億人の英文法 ――すべての日本人に贈る「話すため」の英文法(東進ブックス)

goを使ったイディオム

“go”は”行く”という意味だが、イメージとしては「進んでいく、去っていく」感じ。goには多くの頻出イディオムがあって覚えるのは大変だが、goが持つイメージをしっかりと掴んで使いこなせるようになろう。

1.go over ≒ explain in detail、examine

“go over”にはストレートに「超える」という意味があるが、「読み返す」「入念に調べる」といった意味もある。”over”に円を描き全体を包むイメージがあり繰り返しを想起させる。goを組み合わさることで、繰り返し行く⇒詳しく(全体を丁寧に)説明する、入念に(ぐるぐる回って)調べる、といったイメージを持っていただけるだろう。

①詳しく説明する②入念に調べる
Could you go over that again?
もう一度説明してくれませんか?
We should go over the outcome of the experiment.
実験の結果を入念に調べるべきだ。

2.go for ≒ try for

“go for —” は、—を求めて(for≒のために)進んでいく、ということ。そこから、頑張って得ようとする、という意味を持つ。

①頑張って得ようとする
Go for it!
頑張れ!

3.go too far

too far(遠すぎる場所に)go(行く)ということから、「やりすぎる、度が過ぎる」を意味する。

①やりすぎる、度が過ぎる
You went too far at that time. 
あの時、あなたはやりすぎた。

4.go through ≒ experience

“go through”には当然「通り過ぎる」という意味もあるが、「(嫌なことを)経験する」の意味もある。苦しい時間や出来事を”経験する”イメージを持とう。

①経験する
He has been going through a tough period. 
彼はつらい時間を過ごした。

getを使ったイディオム

“get”は「進んで手に入れる」というイメージ。”手に入れる”には状態を手に入れるといった広いイメージであり、変化を表すイメージにも繋がる。goとも近いイメージがあるが、getはどちらかというと主語の変化後の状態を表す感じ。

1.get by(on)

 by(すぐそば≒ギリギリのところ)の状態をget(手に入れる)ことから、ギリギリの状態で何とかやっていくという意味となる。

①何とかやっていく、生活していく
I am getting by on a small salary.
少ない給料で何とか生活しています。

2.get it

これは言わずもがな。理解したという意味。相手の言うことをget(手に入れる)ということで、理解するというイメージになる。

①理解する
I got it.
わかりました。ちなみに相手からの依頼に対する「了解しました、分かりました」は、You got it.になる。

3.get over ≒ overcome

 over(越えた)状態をget(手に入れる)、つまり乗り越えた状態になるということ。”go over”は山を越える、とか、入念に調べるなど、具体的なアクションが意識されるが、”get over”は状態の変化、乗り越えた状態に意識がいくイメージ。

①乗り越える、克服する
I will get over this difficulty.
私はこの困難を乗り越える。

4.be getting at ≒ implying

 “get at”は基本は「届く、~に達する」といった意味で使われるが、進行形を用いて「言おうとしている」という表現になる。

①言おうとしている
What are you getting at
あなたは何を言おうとしているのですか?

makeを使ったイディオム

“make”は「作る」という意味だがイメージとしては何かに力を加えて形を変えたり生み出したりする」もの

1.make it ≒ succeed

“make it” は努力して(力を加えて生み出す)成功する、何とかして調整して(力を加えて予定を変化させて)都合をつけるのイメージが何となく持てるだろうか?

①「成功する」②「都合をつける、間に合う」
If you try, you can make it.
為せば成る。
I think I can make it tonight.
今夜は間に合うと思う。

2.make up (with) ≒ be reconciled

”make up” には作り+あげるといった意味合いがあり、化粧する、仲直り(仲を再構築する)、などの表現に繫がる。

①「仲直りする」②make A upで「Aに化粧する」
You should make up with her.
彼女と仲直りすべきだ。
She made herself up for the party.
彼女はパーティーのため化粧した。

3.make up for ≒ compensate

2のイメージがあれば想像できるだろう。for ~ ~の為に作り上げる≒~の部分を埋め合わせる、という意味合い。

①埋め合わせする
to make up for the loss
損失を埋めるために

ちなみに人に対して埋め合わせする場合は、”make it up to 人”になる。できればこの表現も一緒に覚えてしまおう。

4.make sure ≒ confirm、ensure

これも頻出表現。sure(確かな)をmake(作る)で、確かめる、必ず~する、といった意味となる。

①確かめる②必ず~する
I would like to make sure.
確認したい。
Please make sure you submit your report by noon.
必ず午後までにレポートを提出してください。

5.(can/can’tを用いて)make out ≒ understand

make outはいろんな意味があるのだが、とりあえずこれだけ抑えておこう。

①理解できる
I cannot make out what you said.
あなたが言ったことが理解できない。

haveを使ったイディオム

haveは”持つ”という意味だが、ベースは「自分の傍にある、自分の領域にある(所有権がある)」といったイメージ。

1.have — on ≒ wear

onには”接している”イメージがあるが、haveとセットになることで「身に着けている」という意味になる。

①—を身に着けている
He had a cardigan on.
彼はカーディガンを着ていた。

2.have something to do with — ≒ be related to —

—をするのにsomething(いくぶんか)自分の領域にある ⇒ —と関係がある、と解釈。

①—と(いくらか)関係がある
Do you have something to do with the accident?
その事故と関係があるのですか? 

 ちなみに、somethingの部分はnothingやwhatなど変えることで関係性の程度を変化させられる。

What dose he have to do with the accident?
彼はその事故と何か関係があるのですか?

 まとめ

今回は、基本動詞のうち、go、get、make、haveのイディオムについてまとめてみた。他にもtakeやput等、押さえるべき基本動詞イディオムはあるので、別の機会にまとめたいと思う。

まずは、今回紹介した4つの基本動詞のイディオム群をしっかりと自分のものにしてもらいたい。ちなみに、優れた英単語書として有名なDUO(僕も愛用している)では、基本動詞のイディオムもしっかりと含まれているのでおススメ。

DUO 3.0

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